八女提灯
八女提灯が生まれた約200年前、照明として使われていた提灯は、日本人の暮らしになくてはならないものでした。現代でも、神社や祭り会場を彩るほか、お店の看板にも利用され、その温かな灯りは、どこか哀愁や情緒を漂わせます。八女提灯の生産量の約9割を占める盆提灯も厳かな光を灯し、できるだけ多く飾ることが、先祖への供養といわれてきました。故人が好きだった花や風景が提灯に描かれ、絵をひとつとっても意味があることに驚かされます。同地区の伝統的工芸品・八女福島仏壇とともに、先祖への感謝や尊敬の気持ちの表れといえるでしょう。そんな盆提灯も現代のライフスタイルに合わせて小型化されるなど、時代の流れとともに多様な製品が作り出されています。すべて手作業で行われる提灯作りの高い技術を活用したランプシェードなどに注目してみても面白いかもしれません。